俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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610:1[sage]
2019/07/13(土) 20:38:21.22 ID:SkCQuLIZ0

ちょどその時、テーブルをふたつほど置いて向かい側の席で、先ほどからこちらの様子をチラチラと窺っていた客と偶然目が合ってしまう。

俺が気が付いたのを見て、その顔に驚きと共にぱっと明るい色が掠めたような気がしたが、すぐに恥じらうかのようにそっと目を伏せる。

そして目の前に座る相手 ―― ここからはよく見えないが、多分、年配の女性だろう ――― に何かしら小さく声をかけると、大きなグラスを手にすっくと席を立った。

そのままドリンクバーに向かうのかと思いきや、わざわざ大きく迂回して俺達のいるテーブルの前まで歩み寄り、無言のまま俺の前でぴたりと立ち止まる。

さらさらと音を立てそうな黒髪、年相応のあどけなさに、何かしら見るものを落ち着かなくさせるような少しばかり危うげな透明感をまとう美少女、―――――― 夏休みの千葉村キャンプ場やクリスマスの海総高との合同イベントでも一緒だった小学生、鶴見留美だ。




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