俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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604:1[sage]
2019/07/07(日) 22:58:48.79 ID:VlhyZjJS0

三浦「あんた、いいの? ホントにそれでいいわけ? あの子だって、結衣だって絶対そんなの望んでいないし」

珍しく自分に向けられた慮るような言葉に、雪ノ下が儚げな笑みを浮かべて応える。

雪乃「ありがとう、三浦さん。でも、――― これは、私が、私が自分で決めたことなのだから」

その言葉を口にする雪ノ下の目に迷いはない。少なくとも俺からはそう見えた。そしてそんな彼女に対して俺はこの場でこれ以上かける言葉を見つけることができなかった。


雪乃「―――― 行きましょう、姉さん」

先程とは逆に、妹に促され再度俺達に背を向けかけた陽乃さんが、思い出したかのように、何も言わず立ち尽くす葉山の姿を一瞥してぽつりとひとつ小さな呟きを残す。



陽乃「 ――――― 結局、隼人も自分では何ひとつ決めることが出来ないんだね」



寒々とした空間に響くそれは、蔑むでも嘲るでもなく、まるで心底憐れむかのような口調だった。



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