俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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603:1[sage]
2019/07/07(日) 22:56:23.78 ID:VlhyZjJS0

その時、思いがけず声を上げたのは三浦だった。

義憤に駆られ怒りに燃える瞳は真っすぐに陽乃さんへと向けられ、その苛立ちに渦巻く黒く猛々しいオーラを身に纏った姿はまさに俺の知る獄焔の女王。


三浦「あの子は、 ――――― 結衣は強いんだよ、あんたなんかが思ってるより、ずっとね」


陽乃「 ……… へぇ。本当にそうならいいのだけれど。けれど最初はみんなそうでも、結局は ――― 」

目を細め、訳知り顔で嘲笑うかのように言いかけた陽乃さんの言葉を、

三浦「今まであんたたちが出会ったヤツがみんなそうだからって、なんであの子もそうだって決めつけるのさ」

鋭い一言で決然と跳ね付ける。明らかに格上のあねのんに対して一歩も引かぬ構えだ。

そのまま火花を散らしながら睨み合うこと暫し、胃がキリキリと痛むような一瞬即発の空気の中で、


雪乃「 ――― そうね。私も三浦さんの言う通りだと思うわ」


更に何か言いかけた姉を遮るようにして雪ノ下が一歩前に出る。

無限にヒートアップするふたりの注意を自分に向けてさせることで水を挿す、という狙いもあったのだろう。そしてそれは十分効果を発揮したようだ。

虚を衝かれたようにふたりの視線が互いから逸らされ、たちこめていた不穏な空気がゆらぎ、薄れてゆく。

雪ノ下雪乃とと三浦優美子 ――― 何かにつけ対立していた相容れないふたりではあるが、由比ヶ浜という存在を介していつの間にか何かしらの絆が生まれていたのかも知れない。

言葉数こそ少ないが、互いの言わんとしていることは十分に理解しているようだった。

しかし、考えてみればこのふたりを、しかも同時に手懐けちゃうとか、ガハマさんたらある意味最強なんじゃね? もしかして魔眼の猛獣使いなの?



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