俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2017/03/17(金) 00:05:02.20 ID:/Uegr1aI0
俺の選んだその少女 ―――― 由比ヶ浜結衣は、既に約束の時間の前から待ち合わせの場所にひとり佇んでいた。
襟と袖口にファーのついたアイボリーのダッフルコートの下に白いタートルネックのセーター、チェックのミニ丈ボトムスにスエードのニーハイブーツ。
いわゆるガーリー系のファッションに身を包んだ由比ヶ浜は、ショーウィンドウの前でせわしなく辺りを見回しながら、時折、ぽわぽわとピンクがかった茶髪のお団子髪に手を遣っている。
俺が彼女のいる処までたどり着くまでのわずかの間に、横合いから、恐らくはナンパ目的なのだろう、大学生くらいの若い男のふたり連れが歩み寄り、声をかける。
由比ヶ浜は胸の前で小さく手を振って断る仕草をしていたが、俺の姿に気が付くとすぐさまぺこりと小さく頭を下げてこちらに向け速足で駆けてくる。
袖にされた男たちは残念そうな表情を浮かべて暫くその後姿を見ていたようだが、やがて気をとりなおして別の相手を探しにどこかへ行ってしまった。
結衣「もうっ! ヒッキーってば、おっそ ――― ……… くないか」
時計を確認するまでもなく、約束の時間までにはまだ間があるはずだ。
由比ヶ浜もそのことに気が付いたのだろう、口にしかけた言葉もきまり悪そうに尻すぼみになり、そのまま消える。
八幡「 ……… すまん」
それでも多少なりとも心細い思いをさせてしまったことに対して素直に詫びると、
結衣「ん。許す」
少しはにかみながら、照れたような笑みを浮かべて俺を見た。
なんとはなしにその笑顔を直視することができず、ついと目を逸らしてしまう。
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