【ハンター×ハンター】逆風のヨークシンオークション その2【安価】
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◆1WEjI0bkj6
[saga]
2017/02/15(水) 23:09:46.77 ID:ETo2VNER0
「ブロット宝石店、ここだね」
ベンゼルに聞いた情報によると、この店は表向き普通の宝石店を装っているが、裏では盗品の取り扱いもやっているらしい。
そして、私たちの目的の泥棒もここに来る。
「どうするんだい? 例の男が来るまでここで待っているつもりじゃないよね?」
「いや、コミュニティーの息が掛かってるみたいだから、その名前を出せば協力してくれるでしょ。 まずは中に入りましょう」
情報班と、ジンジャーが店の中に入ると、初老の店主が出迎えた。
少し太った男で丸顔に、にこやかな笑顔を浮かべている。
ヴォルトはカウンターに近づき、ベンゼルから聞いた合言葉を言った。
「サファイアと真珠のネックレスが欲しいの。 鎖はプラチナ製でね」
それを聞いた店主の笑顔が、僅かに質の違うものになる。
「そちらでしたら店頭には並べておりません。奥の方へどうぞ」
通された応接室で、ヴォルト達は自分達の目的を話した。
「そうでしたか。 ですがコミュニティーの方とはいえ、取引相手を売るようなことは・・・」
「そこは安心して。 コミュニティーの名誉に誓って、危害は加えないと約束する」
「うーむ・・・。 まあ、約束して頂けるなら信じましょう」
コミュニティーも、結構役に立つものだ。
ノストラード組単独で動いている場合はもっと交渉は難航しただろう。
「彼は後一時間ほどで来ると思います。 それまでここでお待ちに、――失礼、電話が来ました」
店主は、携帯電話を手に取り、耳に当てる。
「もしもし、こちらブロット宝石店ですが・・・、えっ、ブロンズ様ですか? はい、はい。 確かに今コミュニティーの方が――。
代わります。」
店主は、おずおずと此方に電話を差し出す。
「あの、先程話した彼、ブロンズ様が、皆様方のリーダーである、黒い髪をした、小柄の女性・・・恐らくあなたに代わってくれと」
「えっ!」
店主の会話を聞く限り、店主が話す前からブロンズという男は、こちらの存在を知っていたよう思える。
いや、それどころか会話の内容も知られていたと言うこと?
「あの、店主さん。 この部屋って、盗聴器とか隠しカメラは大丈夫なの?」
「それは勿論。 ここは取引に使う部屋ですから、そこは特に念入りにチェックしてます。 窓も作らないようにして、外部からの覗き見も
防いでおりますよ・・・でも、少し不安になりましたな。 金属探知機を取ってきて調べてみます」
「そっか・・・、とりあえず電話を貸して」
店主は電話をヴォルトに渡した後、金属探知機を取りに部屋を出て行った。
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