【ペルソナ5】9股かけたけどやっぱりたった一人を決めていく・後編【安価SS】
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420: ◆86inwKqtElvs[saga]
2017/02/23(木) 21:53:27.94 ID:2XFDeyll0


真「意味がない、って」

真「止めることすらできないのに、何言ってるの?」

真「ねえ、それとも他に方法があるの?」

真「なら教えて」

真「ねえ」

真「ねえったら!」



 …………

 ………

 ……



「マコちゃん?」
「あ、春。何でもない」
 春とリーダーが付き合いだしてから、二年が経った。
 それは怪盗団が崩壊してから二年が経ったということでもある。春は他のメンバーと交流が無くなった。
 私だけが、春の友達でいる。
「電車来るよ。行こう?」
 行き先は、春と彼の家。
 彼と、久しぶりに会う――かつての仲間として。
 彼女の友達として、一定の距離を保って。
 そのことに春がどう思っているのか、春の微笑みからは全く読み取れない。
 ただ、一度だけ、付き合いだしたと聞いてから。
 あの冷たい目を隠そうとせず、笑いながら、こう言われたことがある。
「後押し、ありがとね。助かったよ」



「モナちゃん、彼は?」
「買い出し行った。すれ違ったみたいだな」
「だから昨日のうちに用意しておくように言ったのに」
 そんな何気ない会話があまりに自然で、仲間だった頃の春と変わらなく思える。
「モルガナ、久しぶり」
「大学は大変そうだな。真は心配いらないだろうけどな」
「勉強をメインにするとね」
 勉強をメインにしないとやってられない、が本音だったけど、それを言ってはいけないのはさすがにわかってた。
「ワガハイは散歩に行ってくる」
「いってらっしゃい」
 モルガナ用に作られた窓から、よく手入れされた庭に降りてモルガナはどこかに行ってしまった。
 今彼は春の実家に転がり込んでる。というと人聞きが悪く聞こえるけど、実際春の家は一人で済むには広すぎるし、この家を空けることは難しいし、という理由から彼が大学に合格したのをキッカケに一緒に住み始めた。そういった話は全部聞いている。
「春はどう? 最近」
「大体順調かな。仕事と大学両方しないとだから大変だけどね。でもマコちゃんの方が勉強は大変でしょ?」
「まあ、得意だし問題ないかな」
 この先は訊くかどうかを迷った。けど、結局は知りたいという気持ちに負けてしまう。
「彼とはうまくいってるの?」
 傷付くことは、わかっているのに。
「…………」
 傷付けられることが、わかっているのに。
 いつもの微笑みなのに、瞳だけが氷のように冷たい。



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