楓「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝後編】
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◆AyvLkOoV8s
[saga]
2017/01/12(木) 22:52:11.66 ID:DnYpiQvm0
どれだけ笑顔で頑張っても、何も変わらない日々が過ぎていきました。
近付きすぎると正体がバレちゃうかもしれないから、一緒に頑張る友達だって中途半端に作れませんでした。
でも止まり続けた時計は……ある日、動き出しました。
私を見つけてくれた人がいたんです。
背が高くて、目が細くて、初めて見た時はちょっと怖いって思った男の人。
匂いで"喰種"だって気付いた人。
あの人が養成所に訪ねてきて、私をアイドルにしてくれるって言ったんです。
理由は、補欠合格。
少し前に、とあるプロダクションで受けたオーディションのことでした。
新しいプロジェクトに応募して、一度は落ちたオーディションだったんですが……
3人の欠員が出て、だからあの人は私を拾ってくれたって話をしてくれました。
私を選んでくれた理由は、ふたつありました。
ひとつは、私が"喰種"だから。
信じられない理由でした。
何も知らずに応募したオーディション。
プロジェクトの名前は『シンデレラプロジェクト』。
そして事務所の名前は『346プロダクション』。
なんと、シンデレラプロジェクトも、346プロダクションも……
"喰種"が運営をしていて。
"喰種"がアイドルをプロデュースして。
"喰種"がアイドルになる―――――
―――"喰種"のための芸能プロダクションだったんです。
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