37:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 00:22:09.97 ID:JSGxJH370
◇◇◇
街頭の大型モニターに映し出された島村卯月のライブ。それを、遠巻きに一人の少女が眺めていた。
かつて、『島村卯月だった少女』。あの日、今の『島村卯月』と出会った時のように、フードを深くかぶっている。
まるで人から逃げるように、怯えたように小さくなっている。
それでも、映像から目をそらさない。
「ここに居たんですね」
「ちひろさん……」
「可愛いですよね、卯月ちゃん」
「はい……」
モニターの中では、『島村卯月』が歌い続けている。
「輝いて見えますか?」
「はい」
「でしたら、あなたが歩いた道は間違ってなかったんですよ」
ステージの上で歌い続ける少女の姿。それを支える観客たちの歓声。
もしかしたら、それは作られた偶像かもしれない。
けれど、ステージに立ち続ける『島村卯月』の姿は本物だ。それを見て、湧き上がる人々の感情はすべて本物だ。
もしかしたら、『島村卯月』だった少女が『島村卯月』で在ることを放棄したのは間違いだったのかもしれない。
だが、そこまで歩んで道は、何一つとして間違っていなかったのだ。
それを、島村卯月は証明していた。
――了
45Res/41.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20