307: ◆kJur2.rMxfRZ[saga]
2017/06/12(月) 19:13:45.49 ID:stBEomdb0
王結寺から出た私は、調査の末、浅倉が収容されている刑務所を見つけて侵入することにした。
透明外套とシスターナナの支給アイテムである通り抜けフープがあれば
誰にも気付かれることなく侵入して、浅倉を殺害する事が出来る。
囚人達が就寝している深夜に行動を移した。
透明外套を身に纏い、通り抜けフープで刑務所内部へと入った瞬間、苦痛が全身に襲った。
刑務所全体が黄色い霧に包まれていた。
苦痛の原因はその酸の霧に触れたせいであった。
ウィンタープリズン(この霧はなんだ?それに異臭が酷い……)
歩いている内に異臭の原因を理解した。
霧によって焼き爛れた死体の臭いだ。
考えてみれば魔法少女ですら苦痛を感じる霧が常人に耐えられるはずがない。
牢の中で囚人達の顔が、身体が、酸によってドロドロに焼かれている。
霧の苦痛から逃げ出そうと爪が剥がれながら壁を引っ掻き続けて死んだ者。
呼吸器官に入った霧に体内を焼かれ、呼吸が出来ずに喉を掻き毟って死んだ者。
囚人を出来る限り救おうとして、いくつかの牢を開けてから死んだ者。
開けられた牢から非常口まで逃げようとして途中で力尽きた者。
死体、死体、死体、数え切れないぐらいの死体が刑務所内に散乱している。
依然として霧の痛みが続いているが浅倉を見つけ出さない限り帰るつもりは無い。
それに、この霧が出現した原因も見つけなければならない。
ぐちゃ、べちゃ
何かが潰れる音が奥の部屋から響いてくる。
ウィンタープリズンは気配を殺して、ゆっくりと音のする方向へ歩いた。
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