284: ◆kJur2.rMxfRZ[saga]
2017/06/07(水) 16:36:39.06 ID:KH9ZSJdJ0
三人の人間が倒れた所で周囲の人達が悲鳴をあげて逃げ出した。
動きが遅く逃げ切れなかった老人の頭部を殴りつけ、鮮血が吹き荒れる。
190cmはありそうな髭面の大男が、通り魔に向かって殴りつけた。
大男の拳を顔面で受け止めた通り魔は反撃に殴り返して、大男が路上に転がった。
通り魔は鉄パイプを両手で持ち、大男の頭上に叩きつけるように振り下ろす。
大男の頭部が爆ぜた、脳漿が飛び散って路上を汚す。
雫「このっ!」
通り魔「…………」
駆けつけた雫が通り魔に一撃を与えるも全くダメージを受けている様子は無い。
通り魔を見て雫は思った、こいつは人間じゃない、獣だと。
人の味を覚えた猛獣が爪と牙を用いて人を襲っているのだと。
通り魔「はっはっはぁ……」
雫(こいつ……)
周囲の人間の血を浴びて真っ赤になった通り魔は乾いた嗤いを浮かべている。
血に飢えた獣は雫をターゲットに選び、命を奪おうとしている。
通り魔「はぁっ」
雫(一撃でも受けたら不味い、全力で躱さなければ)
雫は回避に徹して通り魔の鉄パイプを避けた。
攻撃を受けた瞬間、自分は動けなくなる。
二撃目で確実に命が奪われると。
雫(周囲にはまだ人がいる。変身さえ出来れば……)
警察A「警察だ、動くな!!武器を捨てろ!!」
近くを巡回していた警察二名が通り魔に銃を向けた。
これで通り魔の凶行も終わると安心したのか、逮捕の瞬間を記録したいのか。
数十メートル放たれた先で、野次馬達が通り魔にスマホを向けて撮影を始めている。
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