931: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:06:08.01 ID:TPJ777ywO
IBMと三人の姿が白さに隠される。平沢は深く息を吸い腹筋に力を込めると一気に立ち上がり、煙幕が漂う空間に歩を進めた。
煙の中から何者かの身体が倒れるように躍り出てきた。暗闇のせいでその姿ははっきりせずただの黒い塊に見える。そのシルエットから判断できる唯一のことは首から上がないことだった。平沢が拳銃を構えながら黒い身体ににじり寄る。そして黒さの理由が暗闇のせいではなく、身体そのものにあることに気づく。
平沢は銃口を煙幕の方へ向け、無造作に連射した。それから平沢は煙を手でかき、階段の前に漂う白さを晴らしていった。
三人は折り重なって床に倒れていた。三人とも見事に撃ち抜かれ、それぞれ負傷した箇所もすっかり修復されている。いちばん上にいるのが永井で、アナスタシアがいちばん下で下敷きになっている。
永井「つかれた」
永井がぼそっと、ベットに倒れ込んだときのように呟いた。
アナスタシア「重い……です!」
中野「のけよ、永井!」
永井「腕、まだ治ってないんだけど」
永井はそう言ったがそれはIBM同士の衝突が印象に残っているためだった。自身の右腕が再生していることに気がつくと永井は起き上がった。左手で中野の背を押してグッと身体を起こしたので、いちばん下にいるアナスタシアの背中がつぶされ、カエルみたいなうめき声を出した。
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