新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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907: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:43:01.60 ID:kdA8uLchO


『一回経験すれば踏ん切りがつくんじゃあないかな?』

『“断頭”という枷を越え、もっと自由な発想で戦えるようになるはずだ』


佐藤の声から失望の感情は無くなっている。我ながら良いことを思いついたとでも言いたげな、明るく、期待を滲ませた声で佐藤はしゃべり続ける。



佐藤「きみならできる」



佐藤は握った拳をマイクの前に掲げながら、言った。まるで眼の前に永井がいて、活躍を期待して励ましているかのようだった。


『じゃあ、いまから行くよ』


佐藤の放送が終わった。


中野「永井……」


中野の呼びかけに永井はまったく無反応だった。

永井は茫然とその場に立ち尽くし、理解を拒むかのように顔を歪めていた。全身に嫌な汗をかいていいて、シャツがじっとりと濡れている。


中野「永井!」


中野の大声に永井はやっと反応を示した。忌々しげな表情を見せていたが、それは中野に対するものではなかった。状況、状態、現状、現在……それらの言葉が意味する範囲をまるごと呪ってしまいたいと心底思っている表情をしていた。

平沢が永井に視線を向ける。



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