888: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:14:49.35 ID:kdA8uLchO
佐藤が社長室に侵入する。すばやいクリアリング。安全を確認すると、佐藤は入口から来客用のスペースへと進む。
佐藤「この部屋……」
佐藤は部屋を一瞥しながら言った。
佐藤「青写真より、すこし狭いよ」
来客用のスペースに視線を向けたときから生まれた違和感を佐藤は口にした。青写真の情報から部屋の面積と立体的な空間イメージを頭の中に描いていたが、実際の社長室と比べると明らかに狭い。
佐藤はいくらか結論を出していた。こういう場合は……
佐藤は壁のモニターへと歩み寄った。
『やあ、佐藤君』
モニターが点灯し、甲斐の顔を映し出した。余裕を隠そうともしない表情。
佐藤「セーフルームだね」
佐藤は納得した表情をして、言った。
『ご足労悪いが、ここで終わりだ』
『破ることはできないよ。このセーフルームがビル内で終わりいちばん頑丈だからね』
『君がこのあと、逃げるか捕まるかは知らないが、私を殺すことはできない』
甲斐の得意げな呼びかけを聞き流しながら、佐藤は何事かを確かめるように壁を拳で叩いた。
佐藤は不意にモニターの正面に戻り、作業用ナイフと拳銃をそれぞれ手に持ちながら、掲げるようにして甲斐に見せた。
佐藤「これしか道具がないから少し時間がかかると思うけど、いいかな?」
『好きにしてくれ。コーヒーでも淹れようか?』
甲斐はブランデーの入ったグラスを持ち上げながら言った。
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