881: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:05:47.70 ID:kdA8uLchO
アナスタシアがIBM越しに敵を注視していると、肩を叩かれる感触が伝わってきた。
わずかに振り返ると、真鍋が拳銃を左に振っていた。拳銃を振った先には平沢がいて、真鍋と同じように拳銃を構えながら佐藤のIBMの前に立ちはだかっている。
平沢の背後、コンクリート柱の裏側に位置するところに佐藤が寝かせられ、帽子をかぶった頭部が入口の方へ向けられている。上腕部がきつく締め上げられた両腕を胸で交差させて深く寝入っている。まるで平沢が佐藤を護衛しているかのような光景だった。
アナスタシアはIBMを平沢の前まで移動させた。その背中に隠れながら真鍋があとをついていく。
黒い幽霊がこちらにやってくるのを平沢は視界の端で認める。
この星十字のIBMを平沢と真鍋が視認できるようになったのは、真鍋に襲いかかる佐藤のIBMに飛びついてその命を救ったときのことだった。IBMは、強い感情を向けられれば人間にも視認できるようになる。アナスタシアの二人に向けた「絶対に死なせない」という感情が、すべての光線を透過させるIBM粒子で構成された肉体を黒く浮かび上がらせたのだった。
偏平頭のIBMがアナスタシアから見て右に移動する。プールサイドの中ほどまで、プールを斜めに挟み、柱の裏側の佐藤の頭部が見える位置。
アナスタシアもIBMを移動させる。平沢も同時に横に移動し佐藤のIBMの視線を遮るような位置につく。佐藤の上半身がアナスタシアのIBMに、下半身が平沢の陰に隠れる。真鍋は佐藤とは反対側の柱の側面で敵に銃口を向けている。
佐藤のIBMの頭部が崩壊し始める。ほぼ同時に星十字型の頭頂も崩れはじめたのがわかった。
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