新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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85: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/02/12(日) 22:52:05.80 ID:nOJuozZtO

佐藤の顔つきは真剣そのものだった。“われわれ”という主語は、意識的に選択されたものだということがその顔からわかった。だが、その語が意味する範囲は、美波やプロデューサーにとって不確定で、同定しえないものを含んでいた。

“われわれ”。その“われわれ”のなかには、いったいだれが、どれほどの人数が、含まれているのだろうか。これまでの説明から、佐藤は亜人である永井圭を“われわれ”の一員としてむかえいれようとしていることは美波にも推測できた。問題は佐藤の言う“われわれ”のなかで、佐藤自身がどのような位置にいるのかという点だ。美波の目の前にいるこの帽子の男は市民団体の事務局長でしかないのか、あるいは……

もしこの人のいうことが真実で、そして圭とおなじ身体をしているのだとしたら、と美波は思った。この人のほうが圭の味方にふさわしいのかもしれない。ともすれば、わたしよりも。

美波のこころは佐藤のほうに傾きかけていた。軽挙を避けるべきだという考えはあったとしても、佐藤からふたたびはたらきかけがあればひかえめな一歩を踏み出してしまいそうな気持ちになっていた。




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