710: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:03:18.36 ID:jiMS7eDVO
甲斐「そうだ戸崎、愛ちゃんは元気か?」
エレベーターの扉が閉まる直前、甲斐が出し抜けに訊いた。戸崎が何も言わず無感情に見つめ返した。
甲斐「ああ、すまない……事故に遭ったんだったな」
甲斐は失言を本心から詫びた。
戸崎「元気だよ」
扉が閉まりきるまえ、かろうじて甲斐が視界に入っているとき、戸崎は一言だけ告げた。
エレベーターが上昇する。甲斐が言った通り、どこの階にもとまらず、金属の箱はなめらかといってもいい運動性を感じさせた。
中野「え? ふたり知り合い?」
三階を通過したとき、さっきの会話の意味をようやく理解した中野が訊いた。戸崎は前を向いたままこたえた。
戸崎「大学の同期だ。私がこのポストに就いたとき奴に亜人の話を持ちかけた。そういった経緯があるから今回個人的にアポが取れたんだ」
平沢「信用できるのか?」
戸崎「できない」
戸崎が即答した。
戸崎「だが、命がかかっているからといって平伏すような奴じゃない。攻撃してくる相手は、徹底的にねじ伏せる。それがフォージ安全社長甲斐敬一という人間だ」
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