691: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:17:39.02 ID:z5kRHM0CO
メールを送信しスマートフォンをポケットにしまうと、永井は掌を上に向けた。掌に意識を向けると黒い粒子が立ち昇ってきた。粒子は一条の狼煙となって夜の空の星たちのあいだを通過して、宇宙の一部になっていくように見えた。
黒い粒子は一定の間隔で上昇していた。粒子は夜の暗さから独立していて、永井の視力が許すかぎりその上昇はどこまでも確認することができた。
中野「おい!」
突然、中野が呼び掛けてきた。
永井「なんだよ」
永井は忌々しそうな視線を中野に投げかけて、いった。
中野「おまえさあ……」
中野はそこでまばたきして、真剣そうに細めていた眼をもとに戻した。
中野「いい感じの死に方知らない?」
永井は眼をみはった。だが、すぐに中野が言いたかったことに気づいた。
永井「ああ、オグラさんが言ってたやつか」
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