668: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:40:34.67 ID:z5kRHM0CO
一夜が明け、今日もオグラはマイルドセブンFKを吸っていた。
昨夜は大雨が降り、あたり一面をすっかり湿らせ、屋外の喫煙スペースの庇に覆われていないコンクリートの部分は日差しに照らされているいまも黒いままだった。
雲が多く風が強い、太陽の光も弱い。太平洋側の高気圧が南に去り、北から寒気が南下してくるので、天気予報では明日もまた雨になると言っていた。台風の季節だ。
オグラは雨に匂いがする大気にタバコの煙を吐き出した。白い煙が漂い、溶けていくようになくなった。
永井「オグラさん、ちょっといいですか?」
永井がベンチに座って火を点けたばかりのFKを吸っているオグラに呼びかけた。オグラは永井に振り向きもせず、言った。
オグラ「タバコはやらんぞ」
永井「いりませんよ」
オグラ「こいつはおれのテロメアだ」
永井「ああそうですか」
灰皿をあいだに挟むかたちで永井はもうひとつのベンチに腰かけた。
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