655: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:09:39.07 ID:z5kRHM0CO
永井「あーあ! 殺しときゃよかったなー!」
戸崎「ホルマリン漬けにするぞ」
永井が大声で嫌みをいうと、戸崎も皮肉を返した。
永井「ひどいやつ……」
時刻は午前十一時。九月の初旬、まだ夏日。日差しが強く、風のない日だった。気温が高く、蒸し蒸しする。すでに汗だくで、顔から出た汗が鼻の先や顎をつたって草の上に落ちていった。はるか上空では旅客機が白い尾を引いて、空に浮かぶ雲が引っ張られるかのように飛行機雲のところへ移動していた。
永井は腕立て伏せを再開した。すぐに腕が震えだしたが、戸崎からの文句にうんざりしていたので、なんとかして肘を伸ばしきった。
ノルマを終えた中野が無邪気に平沢と真鍋と談笑していた。打ち解けた雰囲気で、真鍋にいたっては笑いながら中野に受け答えしている。
永井は腕立てをつづけながら、その様子を横眼で眺めていた。
トレーニングを終え、昼食をとったあと、自販機の前で中野とたむろっていると下村に声をかけられた。
永井は機械的に「なんですか?」と返事をした。横にいる中野は真剣な面持ちで下村をじっと見つめている。
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