629: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 20:51:56.15 ID:Wqc3ZOPPO
携帯の着信音が聴こえた。現実に引き戻された戸崎は、数コールしてからスーツの左側の内ポケットから携帯を取り出した。画面が暗い。着信音は右側から聴こえる。右ポケットを探る。非通知設定の電話着信。
戸崎「私用の携帯に……」
戸崎は電話に出た。
『テレビをつけろ!』
無遠慮な大声。聞き覚えがある。
戸崎「誰だ!」
命令に負けじと強い口調で返事をしながら、戸崎は喫煙室のテレビに視線をやった。タバコ休憩の職員たちはまだそこにいて、頭をあげてニュースに見いっていた。戸崎は喫煙室に近づいた。ガラス越しに音声が聞こえた。ヘリからの生中継、暴走している赤い車が猛スピードで他の車を追い越している、追跡するパトカー、アナウンサーが永井圭の名前を叫ぶ。
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20