新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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589: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 22:18:43.50 ID:7BzTB0Y9O

アナスタシア「ケイ」


 アナスタシアは首をつきだして、顔を見下ろしながら永井に呼びかけた。


アナスタシア「アーニャは、どうすればいいですか?」

永井「さあね」


 永井は瞼を閉じたままぼやいた。いまにも眠りに落ちそうな声。中野の瞼はすでに閉じられている。


アナスタシア「わたしも、サトウと……バロッツァ……」

永井「どっちでもいいよ」

アナスタシア「どっちでも……?」

永井「おまえが戦闘に参加するとして、メリットとデメリットが同じくらい。だから、どっちでもいい。ぜんぶ自分で考えて決めたら?」


 永井の声に覇気はなく、しぼんでいくようだった。しばらくすると胸が規則正しく上下なせながら寝入ってしまった。アナスタシアが戦おうが戦うまいが、永井にとってはほんとうにどっちでもよかった。深く眠っている中野の寝息と永井の浅い寝息が重なりはじめているのが聞こえた。



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