新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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584: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 21:59:23.16 ID:7BzTB0Y9O

アナスタシア「アヂン、ナッツァッチ……じゅういち、人……」


 アナスタシアは数を数えてみた。十一人分の命、十一人分の命がゼロになったときのことを考える、そのときはもっと多くの、夥しいと言っていいほどの命が消える、そんな事態が起きる、ほとんど確信にちかい思い、ふと《戦争》という言葉が頭をよぎった、それは文章になった、それを読んだのは誰かの肩ごしから、──パパ? ママ? グランパかグランマ? それとも、まったく別の人? フミカもよく本を読んでるけど、覗きこんだことはないからちがうはず──こんなふたつの文章を。


《戦争はなくならないんだ。石のことをどう考えるかというのと同じだ。戦争はいつだってこの地上にあった。人間が登場する前から戦争は人間を待っていた。最高の職業が最高のやり手を待っていたんだ。》

《戦争がなくならないのは若者も年寄りもみんなそれが好きだからだ。》


 次いで、もうひとつ、戦争に関する文章が思い浮かんだ。いつどこで読んだのかはもちろん、肩越しに読んだか読み聞かされたのかさえ思い出せなかったが、それでも文章は思い浮かんだ。まったく、自分でその文章を考えついたかのような思い出しかただった。


《ともかく万事がこう、やけくその方向にいっちまったからには、いよいよ最後の、一か八かの手段を試みるしかない、そう覚悟を決めた、自分の力で、僕ひとりの力で、戦争を中止させるのだ! せめて自分のいるこの一隅だけでも。》



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