551: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:28:55.16 ID:oL93h30zO
数時間が経ち、中野がようやく居酒屋から出てきた。サラリーマン風の三十〜四十代の男性数名と連れ添っている。かれらのうちでいちばん太っちょで年かさの男性が両脇を、おそらくは部下であろう二人に抱えられて足を浮かせていた。店前に停まったタクシーまで引きずられながら、おれは運転できるぞー、と喚いている。両脇のふたりはなんとかタクシーに男性を押し込ると、眼鏡をかけたひとりが振り返り中野に快活に別れーーじゃあな、少年!ーーを告げた。
中野「ごちそーさんです」
中野はタクシーが見えなくなるまで手を振っていた。
永井はうしろのほうで中野が見送る姿を黙って見守っていた。
中野「サプラーイズ」
タクシーを見送った右手をぶらぶらさせながら永井の正面まで来た中野は、その手を顔の横に掲げてみせると、そこには自動車のキーがあった。キーワードの輪っかに中指を通している。
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