457: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/09/25(月) 21:16:52.71 ID:4fkctst+O
墜落地点に出来たクレーターの周囲に、破片と瓦礫が積み重なっていた。
それらの破片の山は旅客機のボディである金属、電子部品のパーツ、コード類、プラスチック、座席シートのクッション、鉄筋コンクリート、燃え尽きた紙片など様々な素材から成っていたが、共通点としてどれもある一定の大きさ以上のものは存在しなかった。いちばん大きなものでも二〇センチに満たず、七百体以上にものぼる遺体も同様の有り様だった。医学報告書にはこれらの遺体の状況が「断片化著しい」と記載され、身元確認もままならなかった。
そのような「断片化」した物体の山から至るところで火の手があがり、クレーターの周囲はまるで火山地帯のように煙が立ち込めていた。だが、例外も存在していた。
墜落の衝撃で機外に放り出されたいくつかの品物が、地上に落下しても壊れずに原型を保っていた。そのひとつが音楽プレーヤーで、スピーカーから「The Man Comes Around」の最後のヨハネの黙示録の内容をノイズ交じりで唱える箇所を流している。
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