新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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443: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/09/25(月) 20:55:17.52 ID:4fkctst+O

 だが、迷っている暇はない。管制官を待たせ、乗務員は状況を説明する。機長と副操縦士がすでに殺害されたことに、乗務員たちは強い衝撃と動揺を覚える。そんな彼女たちを、現場を目撃した乗務員はほとんど叱咤するように、わたしたち客室乗務員は保安要員としてここにいるのだと言い聞かせる。

 午後二時四十九分。乗務員たちは行動に移る。コックピットを奪取しなければ生存は叶わない。そのためには乗客たちの協力も必要になってくる。乗務員たちは乗客への状況説明と協力要請を決める。集まった乗務員たちに客室での対応を任せ、代わりの連絡要員を置いた客室乗務員は、新人といっしょに備品が機内を飛び回らないように固定作業を行うことにする。新人の手元はおぼつかない。コーヒーサーバーには淹れたばかりの熱々のコーヒーが注がれていて、揺れにあわせて縁から溢れていた。客室乗務員は荒っぽくならないよう気を落ち着けながらコーヒーを捨てた。その様子を見ていた新人の客室乗務員は、取り返しのつかないミスを犯したかのように青ざめていた。

 新人はしどろもどろに言い訳めいたことを口にした。だって今日は水曜日で、晴れた日で……。新人の言葉を途中で遮り、乗務員は固定がちゃんと行われているか確認するよう指示を出す。指示を受けた新人は、意識を取り戻したかのようにてきぱきと確認作業に当たっていく。

 地上との連絡を担当していた同僚が、ここはいいから客室へ行って、と言う。乗務員は新人を見る。必死そうに動いているが、パニックの様子はない。乗務員は同僚に頷き、客室へと向かう。



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