新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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409: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:20:07.60 ID:P+sjA4XXO

衣装係が戻ってくると、そこには混沌としかいいようのない状況が広がっていた。

右目を押さえた永井は壁に手をつきながら冬のナマズのように動かず黙りこくっているし、アナスタシアは涙目で脛を押さえながらうーうー呻きながら廊下を転がっているし、バニーガールの衣装を着た愛梨は破けた胸元を隠しながらどうしたらいいかわからず廊下でおろおろしている。なにがあったらこんなことになるのか、衣装係はぜんぜん理解できず、ぽかんとしたまま口を開けていた。

その後の衣装合わせはとてつもなく重い空気の中で行われた。永井の右目は眼帯で覆われているし、アナスタシアの右足を上げる動作はぎこちないし、衣装係はとにかくはやく帰りたがっていた。三人とも、衣装のサイズが合っていればもうなんでもよかった。

それからしばらく、永井は胸の大きい女性がボタン付きの服を着ていると警戒して距離をとり、アナスタシアも永井が大きなバストに警戒しているときは蹴りが届かないところまで離れるようになった。

二人は胸の大きな女性を中心にして反対側に距離を取るので、警戒された女性からすれば、そのかたちはまるではさみ打ちのかたちのように見えた。


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