新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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383: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:15:06.31 ID:jvW3su8lO

永井は手が止まっているメンバーを見つけると、苦戦している問題を一瞥してから参考書のページ数を教えた。言われたとおり参考書を開くと、そこには問題を解くのに必要な基礎的な知識や解法、公式が書かれていて、たしかに学習の役に立つのだが、数学が不得意な者にとっては読むだけで完璧に理解ができるといったわけでもなかった。

しかし永井の口調はそっけなく、これ以上のヒントや解説をもらうのを躊躇わらせるものがあった。

そういう場合は美波がすかさず困っている様子のメンバーの側に寄って、どこがわからないのかを尋ねた。

このままでは「いい警官、わるい警官」式の授業になりそうだったが、永井も姉を見習いていねいな解説を加えるようになった。有能な人間というのは自らの能力が基準となっているので、ほかの人間に対しても自分と同等の処理能力を求めがちであり、永井はその典型といえた。周囲が熟達した技術を持ったプロフェッショナルならともかく、勉学においては普通の水準に留まるシンデレラプロジェクトのメンバーたちに永井の勉強法についていくのはかなりつらいものがあった。

美波はそんな弟と仲間たちのあいだでうまく緩衝材の役目を果たしていた。仲間たちには弟の指摘にわかりやすい解説を与え、弟にはメンバーそれぞれの性格や理解度にあわせた対応を見せた。



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