341: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 14:16:52.69 ID:8mPTevMeO
アナスタシアが復活したときまずしたことは、襲ってくる痛みに耐えるため、瞼をぎゅっと締めつけるように閉じ、歯をくいしばることだった。だが痛みは一瞬で去っていった。アナスタシアが感じたのは錯覚で、折れた骨も裂けた筋肉も死から復活した際すべて完治していた。
永井「復活したか」
声がしたほうを向くと、永井が木を背にして地面に座っている。永井は中野から回収した携帯電話を操作していて、その個人情報を調べていた。永井のすぐ横に三脚が立ててあり、撮影用のスマートフォンが設置されている。永井はスマートフォンをタッチし撮影を中止すると、映像を確認しながら言った。
永井「足の傷は悪かったね。僕の幽霊は命令なしに勝手に暴走するから」
アナスタシアは何を言っていいのかわからなかったが、言いたいことがあったにしても口のまわりをダクトテープで巻かれていたため、声を出すことができなかった。アナスタシアは拘束された両脚をまっすぐ伸ばした状態で、古井戸の縁にもたれかけさせられている。井戸縁は石を積み上げてできた円形のものだった。両方の手首も結束バンドで固定され動かせない。さらに、胴体に圧迫感を感じ視線を下ろすとロープが巻かれていて、アナスタシアに巻きついているのと反対側のロープの端は、永井が背にしている木の幹に括り付けられていた。
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