新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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335: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 14:07:45.77 ID:8mPTevMeO

アナスタシアの足が滑った。転んだ先にある木の幹は本物で、アナスタシアは勢いよく固い樹皮に額をぶつけてしまった。ぶつけた箇所の皮膚が擦りむけたが、痛みを感じることが気付けとなり、アナスタシアに現状に対する判断力がすこし戻った。増え続ける幻覚も声も相変わらず続いていたが、それを終わらせる方法をアナスタシアは知っていた。

地面にコマのようなものが回っていた。手を触れたら指が欠けてしまうかもされないような速度だったが、アナスタシアは深呼吸して息を止めると、コマに手を伸ばした。アナスタシアが掴んだのは、長さ三十センチ程の折れた枝で、黒く変色した樹皮の先から鋭く尖った部分が飛び出している。アナスタシアは両手で枝を掴みながら、先ほどの永井の行動を思い出す。眼を閉じて枝の先端を首にあてると、皮膚を針で押したような痛みになりかけている感触が伝わる。アナスタシアは肩を上下させるおおきな呼吸を二、三度行うと、痙攣する腕を引き、首めがけて枝を突き刺す。




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