新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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333: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 14:05:09.79 ID:8mPTevMeO

ついに中野の意識が消えさった。手足の痙攣が去り、呼吸音すらない完全な沈黙に入った。無呼吸期の段階では、心室細動さえ起こっている。中野の顔面はチアノーゼで青紫色になっていたが、結束バンドが絞めついている部分では毛細血管が破れてピンク色になっていた。

永井は中野の胸から膝をどけ、立ち上がって振り向いた。アナスタシアの姿が消えていた。


永井「まだ動けたか」


永井は舌打ちをしつつ、崖下を覗き込んだ。飛び降りてリセットしたのなら、血痕が残っているはずだがその形跡はなかった。永井は崖から引き返しアナスタシアが伏せっていた場所まで行った。地面を確認すると、小楢の木まで這った跡が残されていた。木から森までの数メートルのあいだには足跡があって、安定しない歩幅がアナスタシアの状態を物語っていた。いまのところ血痕も見当たらない。


永井 (リセットはされてない。死に慣れてはないようだ)

永井「けど、ウカウカしてらんない」


追いかける前に、無力化した中野を簡単に処理することにした。首の結束バンドはそのままで、手足にもバンドを巻いて動きを制限したあと、森の中へ運ぶ。さいわい、森に入ってすぐ落ち葉が溜まった窪地を見つけ、そこに中野を落とすと、その身体が見えないよう落ち葉と土をかけてで隠した。

永井はさっきのところまで戻ると、ワンショルダーバッグを肩にかけてから、永井は急いで森の中へ入っていった。死に慣れていないとはいえ、現在の追い詰められた状況では、先ほどの永井のように自家加害に及ぶかもしれない。永井は飛び越えるようにしてアナスタシアの足跡を辿りつつ、その場合の対処法を瞬時に組み立てた。


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