331: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 14:01:10.99 ID:8mPTevMeO
永井は両手を棒の両端に移動させると、膝を打ち上げ横に倒した棒を半分に叩き折った。痛々しくさされだった折れ目を、首に巻きついている中野の腕に深々と突き刺す。中野に痛みが走った瞬間、首への圧迫が弛む。永井は拘束から完全に解放されるため、腕に突き刺さったままの木の棒を捻って傷口を苛み、さらなる痛みを与える。
中野は痛みに耐え切った。激痛にもかかわらず、解きかけた腕をさっき以上の力を込めて永井の首を拘束し、身体を後ろに倒しながら、首にかかる圧力をさらなるものにしようとする。
永井の気道が狭まり、呼吸がつまる。次の瞬間、永井は頭を後ろへ仰け反らせ、顎を上げて喉を晒した。中野の腕から引き抜いた棒を太陽の光を感じる自分の喉に刺し込む。躊躇のない自家加害は、永井の頸動脈をあっさりと破った。
中野「いっ!?」
アナスタシアは永井がまた中野の腕に棒を突き刺したのかと思った。永井の膝が落ち地面についたところで、アナスタシアは間違いに気づいた。だらんと垂れた両手には木の棒が握られたままで、喉の傷口からは血液が栓を抜いたシャンパンみたいに噴き出した。
僅かなあいだ三人は動けないでいた。アナスタシアは毒で、中野は驚愕で、永井は死亡しためだった。
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