新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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266: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/06/10(土) 22:31:54.23 ID:7K73HWKCO

奏「ひどい汗よ」


顔を上げると、プロジェクトクローネのリーダー、速水奏がタオルとミネラルウォーターをアナスタシアに差しでいている。アナスタシアはお礼を言おうとするが、酷く乾いた喉が言葉を詰まらせる。結局頷くだけして、タオルとペットボトルを受け取る。タオルには熱中対策用のスプレーがかけられ、よく冷えている。ミネラルウォーターも同様だ。アナスタシアは顔の汗を拭ってから、ごくごくと水を飲みひと息つくと、ようやく奏にお礼の言葉を言えるようになる。


アナスタシア「スパシーバ、カナデ……ありがとうございます」


日本語でお礼の言葉を重ねたのは失敗だった、とアナスタシアは言った直後に思う。過剰な感じがして、何でもないふうを装えなかった。声の出し方も同じようにうまくいってない。おそらく笑顔も。奏はアナスタシアが言葉を発した瞬間、チクっとした痛みが走ったかのように表情を歪めた。次の瞬間には表情は元通りに戻ったが、奏の心にもわたしと同様の感情が浮かんでいるのだと、アナスタシアにはわかってしまう。



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