新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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212: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 21:40:18.70 ID:AMJLL1TVO

永井が屋上へつづく階段の手前までなんとかたどり着くと、階段の前に、星の光をシンボル化したような十字形の頭部を持った黒い幽霊が待っていた。

永井は足を止め、壁にもたれながら警戒するように身体を引くと、目の前にいる幽霊をみすえ、いった。


永井「田中か……!」


この黒い幽霊を発現したレインコートの人物が驚いたのは、幽霊越しに見る美波の弟が、血まみれで、深手を負い、息も絶え絶え、黒いちいさな眼は刺しこむ敵意を向けていたからだった。敵意が誤解であることはわかったが、それを解こうにも、幽霊の持ち主であるレインコートの人物は、永井が自分の幽霊をいったいだれのものと勘違いしているのか見当もつかず、どう対処していいのかわからなかった。

永井は星十字の幽霊を田中のものと思い込んでいて、自らも黒い幽霊で反撃しようと意識を強めた。
永井の肩から黒い粒子が放出され、空気のなかに昇った。次の瞬間、ホウセンカの果実が種子を播種するときのように、粒子が出た永井の上腕が赤く弾けた。


佐藤「あれ? 誰だろう?」


拳銃を両手で構えながら、佐藤は疑問を口にした。だが幽霊の正体にはそれほど気にとめず、腕の銃創を押さえてうずくまる永井に佐藤はふたたび銃口を向け、永井の背中に銃弾を叩き込もうと連続して発砲した。



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