204: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:53:55.61 ID:AMJLL1TVO
永井 (来る! 断頭される!!)
永井はとっさに左腕を上げた。
永井 (腕で防ぐ。腕には橈骨と尺骨、二本の骨がある。それで防げなかったとしても、勢いは弱まるし軌道もぶれる。断頭は回避できるかも)
ぎゅっと手を握り締め拳をつくったことで、前腕の筋肉が引き締まり強張った。それでも細い永井の腕ごと切断しようとする刃物の軌道は、佐藤の驚きによって停止した。
佐藤「……なんだ、これは?」
佐藤の視線は永井の頭のうえに行き、天井を見上げるように首を傾けていた。その動きにつられ永井は眼を上にあげた。すると、自分の身体から黒い粒子が業火が生み出すどす黒い煙のように立ち昇っているのに気がついた。この黒い粒子は今までにもたびたび、死ぬたびに見てきたものだった。粒子はまだ出血が続く傷口からも放出されていて、赤と黒という色の組み合わせは、それこそ火と煙の関係を連想させたが、血の赤色と火の赤色は比べてみるとまったくちがっていた。
佐藤「なんなんだ、その量は?」
永井「幻覚……?」
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