新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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183: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:08:42.60 ID:AMJLL1TVO

緑色の照明に照らされた駐車場にショットガンで撃たれた四人の死体が転がっている。ダブルオーバックの鹿撃ち弾に撃たれ頭部か胸部が大きく欠けた死体は、警備員とオグラ・イクヤの護衛で、護衛のふたりはアメリカ人だった。


田中「銃ってなあ……結構疲れんだなあ……」


ひと息ついた田中は、とりあえず佐藤のアドバイス通りにできたことに安心した。


佐藤「きみはまるでミシシッピだねえ」


田中が銃の訓練をはじめたとき、銃弾が飛んでいった場所を見ながら佐藤がいった。銃弾は的から右に二メートルほど逸れ、細長い濃い緑色の葉を茂らせた夾竹桃の木の枝をひとつ吹き飛ばすと、背後にあるノウゼンカズラの茂みの中へ消えていった。弾倉が空になるとあざやかなピンクや白やオレンジ色の花びらたちが、木陰がかかった黒い地面を彩っていた。


田中「生まれは川沿いの病院っすけど」


田中は拳銃を握った両手を下げ、銃弾のそれ具合に気まずくなりながらいった。


佐藤「ますますミシシッピだね」


その名称が州や川のものではなく、映画の登場人物のあだ名であることはあとから知った。佐藤は田中に、まずはショットガンの練習からはじめようにアドバイスした。


佐藤「大丈夫。ジェームズ・カーンものちにウィーバースタンスを身につけるから」


どうやらそれは励ましの言葉であるみたいだった。肩にあたる銃床は硬く重かった。



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