164: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/23(日) 20:57:06.02 ID:5HbT9nK2O
佐藤「田中君は作戦C、オグラ博士の誘拐担当! 私は作戦B、永井君の救出担当だ!」
オートマチックの拳銃を腿のホルスターとコンバットベストに収め、動作確認をしたショットガンを手に持った田中に向かって佐藤は言った。二人はズボンの裾を撫でる草むらから水たまりが光るアスファルトへと歩いていった。佐藤は躊躇いのない歩みで水たまりを平然と踏みしめたので、水跳ねの音が強い雨音の中でも耳に届いた。降りしきる雨はふたりのコンバットベストに染み込み、身体に引き寄せ持った銃器を黒く輝かせた。
佐藤「さて、どうすれば城を落とせるか」
二人が分岐するポイントまで到達したとき、出し抜けに佐藤が口を開いた。田中が視線をやると、佐藤は内部を透視するかのように研究所に視線を固定している。帽子の庇からは雨が粒となって尾を引きながら垂れ落ち、後ろでは吸い取りきれなかった雨粒から首を伝って佐藤のシャツの襟の中へ流れていた。
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