158: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/23(日) 20:48:28.22 ID:5HbT9nK2O
戸崎「きみがここでそうしていられるのは、私が秘密裏にかくまっているからにすぎない。しっかり働けよ。さもなくば……きみもああなる」
下村は頭を上げられなかった。じわじわと恐怖によって玉のような汗が滲んできた。実験室の音声がスピーカーから聞こえてくる。実験道具が出す高音と肉が掻き分けられる湿った音、低く響き渡る苦痛の音声が恐ろしいハーモニーを生んでいた。
戸崎「情け容赦無しだ」
戸崎は無感情な眼で永井を見据えながら言った。永井は左腕と右手の指が全て切断され、両脚に釘が打たれて赤い血の筋が包帯に染み込み手術台に落ちていた。顔に巻かれた包帯は涙や鼻水でべたべたになっていたが、永井自身の嗚咽や痙攣はピークを過ぎだんだんと間隔が広くなっていった。永井の腹部が割られている。開腹手術の真っ最中だった。永井の臓器は活動する様子を外部に晒しながら、灯りに照らされて健康的なピンク色に艶やかに光っていた。
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