新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
1- 20
151: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/23(日) 20:39:40.17 ID:5HbT9nK2O
永井は意識を取り戻し眼は光を受容したが、視界は白一色に染まり何も見えなかった。眼に覆いをかけられているせいだった。瞼に触れる覆いの感触からそれが包帯であることがわかり、さらに全身に包帯がきつく巻かれていることがだんだんとわかってきた。腕に力を入れてみたが、すこし震えただけで上がらない。全身が手術台の上で固定されていた。永井がもがき身を捩るあいだ、自分の喉から出てくる音が声でなくなっていることに気がついた。喉はただの風穴になっていて、隙間風のような空気が漏れ出てくる音しか出さない。声帯が切り取られていたせいだった。


研究員1「トラック事故の現場に残された左腕のDNAと一致」

研究員2「間違いなく亜人だ」

研究員3「よし、始めよう」


仰向けに横たわる永井の上に研究員たちの声が降ってきた。そのうちの一人が永井の左側に回ると、手に持った機器のスイッチを入れた。きいぃぃんという恐怖を掻き立てる高音が痛みを伝えるように響いた。研究員はそれを永井の腕にあてた。皮膚と包帯が同時に裂け、筋肉が千切れた。手に持てるサイズの電動の丸のこだった。血が撒き散らされないように止血を施されていたが、それでも、血管を切断したときは火花のように赤い血が飛んだ。苦痛にもがく永井をまるで存在していないみたいに研究員は腕の切断を続行した。やがて、刃が骨にあたった。研究員は丸のこに体重を掛けて回転する刃を骨に食い込ませた。しばらくそのままの体勢で力を入れ続けていると、すとんと底が抜けたかのような感覚が研究員の手に伝わった。


研究員3「これ、岩崎さんに送っといて。再生前のと見比べるらしい」





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice