322: ◆3em28n6/NM[sage saga]
2017/12/31(日) 23:50:37.77 ID:tgL1bz3k0
京太郎「……後悔、しますよ……」
そう言いつつも、京太郎はもう逃げはしなかった。左手を緩めて、メモ帳の表紙に右手をかける。
マホ「先輩……?」
京太郎「……」
パラパラパラパラ……
ゆみ「……」
ゆみの目がメモ帳の中身を追う。しかし――
ゆみ「……?」
白紙、白紙、白紙――メモは全て白紙のまま、最後まで白紙だった。
マホ「本当に、ただのハッタリだったんですね……」
――しかし。
ゆみ「……須賀。私がこれで満足すると思うか?」
京太郎「……」ギリッ
顔に書いてある。「これで終わりではない」と――
ゆみ「全部だ。背表紙の裏まで……!」
京太郎「……」スッ
最後の一枚。メモ帳そのものを、めくる――
同時に、悲鳴が上がった。
背表紙の裏には、何も書かれて――否、何か書かれていたとしても、それは見えなかっただろう。
なぜなら、その背表紙には――赫く赫く、血がべっとりとついていたのだから。
マホ「せん、ぱい……」
だが、皆の視線は背表紙などには向いていなかった。更にその先――京太郎の、左手の平。
京太郎「……これが、俺の出した答えです」
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