310: ◆3em28n6/NM[sage saga]
2017/12/31(日) 23:33:01.83 ID:tgL1bz3k0
――――
睦月の祈りを嘲笑うように、四巡目――
睦月(……一向聴、か)チャッ
445(赤)m2346s99p東發發發 ツモ3m
高い手を目指すなら、染め手を作るべきだったのだろう。しかし、こうも早く有効牌が来てしまうとは思わなかった。
睦月(本当に、無駄に運が良い……)
文字通り、無駄に。あるいは中途半端に。
睦月(どうして私には、突出した能力が無いんだろう)つ四萬
こんな時、佳織が羨ましくなる。その運を少しでも分けて欲しいと思ってしまう。
睦月(……無い物ねだりか。みっともないな)
タッ……トン……
睦月(……こんな私が先輩に勝とうなんて、元々、無理だったか)
この対局中、ゆみに何度も実力差を思い知らされた。もう、諦めてしまおうか――
「カン!」
睦月(!)
(■南南■)
京太郎「ダブ南、確定……!」
睦月(須賀君……)
京太郎「……」ハァハァ
荒く呼吸しながら、新ドラをめくる京太郎。その目は茫洋とし、どこを見ているのかも定かではない――
京太郎「……」つ五索
だが、光を失ってはいない。ここではないどこかを見ながら、決して勝負を捨てていない。
睦月(その点差から……まだ本気で勝とうと思えるのか……)
新ドラは九筒。これも運良く、睦月は二枚持っている。そして――
睦月(……!これは……!?)チャッ
――四枚目の發。
睦月(……急にコレか。ちょっと出来過ぎだな。――でも、)
次はお前の番だ――そんな声を聞いた気がした。
睦月「カン!」カシャッ
(■發發■)
睦月(嶺上牌は……五索。新ドラは――)クルッ
一索、八筒に続き王牌に現れた牌は――白。
睦月(モロ乗り……っ!)
脳内麻薬が溢れる感覚。今は誰にも負ける気がしない。
睦月「リーチッ!」つ東
天が味方している。その確信を持って、睦月はゆみに勝負を挑んだ。
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