京太郎「俺たちの……」マホ「可能性……?」
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288: ◆3em28n6/NM[sage saga]
2017/12/31(日) 23:04:50.19 ID:tgL1bz3k0
――――

マホ(だめ、このままじゃ負ける……!)

持ち点、15500。ギリギリの点数、というわけではない……はずなのに、
なぜか今は『倍満に振り込むと飛ぶ』という事実がとても恐ろしく思える。

マホ(そんな、簡単に倍満や親ハネに振り込んだりしないはずなのに……!)

智美「……」ポチッ

コロコロ……

サイコロが転がるのが、やけに長く感じる。どうしても次に、自分が和了っているイメージを持てない。

マホ(佳織さんは……違う。蒲原さんも……)

自分より持ち点は高いが、この二人に対してここまでの恐怖を抱くのはおかしい。

マホ(何、この……この怖さは、何なんですか!?)

自分が何を恐れているのか分からない不安。サイコロが勢いを失い、止まりかける――

マホ(やっぱり、だめ……っ!)

こんな状態で打てない。マホは卓から逃げるように、後ろを向いた。

マホ「せん、ぱい……」

――――

京太郎(マホちゃん……)

振り向いたその顔は、追い詰められて泣きそうになっていた。

京太郎(ああ、この顔も……俺だ)

衣にボコボコにされた時を思い出す。箱下直前で、早くこの苦しさから抜け出したいと……そればかり考えていた。

京太郎(あの時は、自分一人だとやばかったな)

誰かが、逃げそうになった京太郎を止めてくれた。それが誰だったのか、今となってはもう分からないが……

京太郎(衣さんに勝つためのヒントをもらったわけじゃない。ただ、俺に考えるきっかけをくれた。だから今度も……)

左手を、上げる。

京太郎(これで充分、そうなんだろ?)

言葉が無くても、マホにはそれで通じると思った。


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