京太郎「俺たちの……」マホ「可能性……?」
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166: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/01/26(木) 15:22:08.60 ID:YrfCuXWK0
――――

トン……トン……

ツモっては、切る。鳴きもリーチも無い場には、ただ単調な作業だけが続き、
いつしかそれは更に単調な作業、ツモ切りの連続となっていた。

マホ「……」チャッ

それを嫌だとも思わず、マホは考える。

マホ(須賀先輩……。先輩はあれだけのヒントから一人で考えて、天江さんの弱点に気付きましたよね。
なら、マホも……)トン

考える。京太郎から聞いた事、マホ自身が見てきた物――それらを繋げて更に奥、深くへ。


マホ(誰も副露出来ないほどの、完全な支配……今日の対局で、先輩がオーラスにポンできた理由は……?)

思考を加速させる。今日見た卓の記憶を掘り起こす。……目を眇め、手牌と卓を眺め――

マホ(あ……)

思考が止まる。もう一度頭の中でなぞり、違和感。

マホ(あれ……?途中経過は分からないけど、『こうすれば良い』っていう確信みたいなものが……)

何故、その結論に辿り着いたのかは全く分からない。しかしマホにはこの時、勝利への道が見えた。

マホ(……でも、本当に信じて良いんでしょうか……)

天恵のような閃き、それだけに迷う。それを信じて良いのか――

マホ(……! 信じる……)

『俺はあの時、自分のツモを信じてなかった』

マホ(先輩……)

『自分のツモを信じていればテンパイは取れたんだから、分からないもんだ』

マホ(……マホは、信じます!上手くいくかどうかは分からないけど、自分を信じて……打ちます!)

十六枚目の牌を切り、マホは手牌に手を伸ばした。



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