133: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/01/08(日) 22:37:43.12 ID:ZkcsownO0
京太郎「……流局ですね。ノーテン」パタン
――京太郎は、引けなかった。
衣「……テンパイだ」バラッ
ほ、っと息をつくのも束の間。
京太郎「……まだ、俺の勝ち筋は消えてませんよ」
勝ちを諦めない声が、衣の臓腑に響く。
京太郎「まだ、龍門渕さんがテンパイなら、親は流れず続行。
そして、龍門渕さんが張っていなくても優希が張っていれば、俺と天江さんの収支の差は3000点。俺の逃げ切りです」
衣(な、に……?)
負け惜しみだ。衣には分かる、直感が教えてくれる。二人の手は、張ってなどいない。
しかし、今この瞬間……衣はその感覚を、信じ切れなくなってきた。
衣(まさか……!?)
果たして、二人は。
透華「……ノーテンですわ」パタ
優希「悪いな、京太郎。ノーテンだじぇ」パタッ
衣 27900
京太郎 27300
優希 23200
透華 21600
終局。
衣「……っは、はぁ、はぁ……」
一気に弛緩する。気付けば、緊張の余り息も出来ていなかった。
京太郎「……ありがとうございました」
透華「ありがとうございました」
優希「ん、ありがとうございました」
ばらばらと、席を立つ。――しかし、衣だけは座ったまま、ゆっくり息を吐き続けていた。
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