128: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/01/08(日) 22:34:37.04 ID:ZkcsownO0
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十二巡目
衣(くっ、来ない……)タン
中々、手を変えるための牌が来ない。
四索か六索が来ればタンヤオ、七・八索、八筒が入れば三暗刻を狙えるのだが……。
透華「……」チャッ
衣(それでも、まだ五回ツモれる。卓を支配しているのは衣だ、他家が和了る事は無い!)
自分にそう言い聞かせるも、「手変わりをじっくり待つ」という方針に不安を感じ始めた――その時である。
透華「……」つ九筒
京太郎「ポン」パタン
衣(何……?)
――まともに打っていれば、鳴く事も出来ない筈では?
京太郎「……よっと」つ八索
衣(何のつもりだ?)チャッ
表情からは何も掴めないが、自分の(超人的な)感覚で――分かる。今のポンで、京太郎の手は進んでいないと。
衣(ズラすため、という訳でもなさそうだ。つまり、自分の手を無意味に晒しただけ――いや、まて。『晒す』?)
――晒す事、そのものが狙いか。
衣(衣には通用しないが、張っていると思わせれば他家をオロす事が出来るかもしれない)
そうやって相手に誤認させて、逃げ切ろうとしているのか。
衣(ふん、そう都合良くいくものか。この状況でオリる奴などいない!)タンッ
残念ながら、京太郎の狙いは甘いと言わざるを得ない。それどころか――
衣(今のポンで、海底まで衣に回してしまった。お陰で楽が出来る)
今まで手変わりを待っていたが、もうその必要も無い。このまま進めば、海底・ツモ・ドラ1で1000-2000の和了り、リーチも無しで捲り切れる。
衣(あとは意地でも鳴かせないように、支配力を集中させるだけだ!)
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