17: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/12/16(金) 11:36:59.48 ID:ZBdgAUZjo
やがてほむらちゃんが、耳元に熱っぽい声で囁いてくる。
「こっちを見なさい」
密着していた二人の身体が、少しだけ遠ざかる。
私は、縫い針も生地も何もかもを脇にのけて、身体の向きを横に捻じって、両足をベッドに乗せる。
わずかに沈みこむスプリング。布団で深みを増す皺。私たちの痕跡。
ほむらちゃんが私の肩にしがみついてきて、反対側の肩に腕を回し、その細くてすらっとした足を私の腰に絡めてくる。
顔が限界まで近づき、私の視界に彼女の両目がすごく大きく広がる。
「こっちを見なさい」
また、同じ言葉。
私は、ほむらちゃんを見つめている。
幸福に痺れながら。
見なさいと強いられるのは、求められているということでもある。
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