【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた
1- 20
46: ◆oUKRClYegEez
2017/01/22(日) 21:57:06.02 ID:RWFuitKW0
悠佳「私は、ないかな」

洸輝「うん……。さっきいたあいつら、三平と黍斗にも話したけど、同意はもらえなかった。俺の親もそうだった。たぶん、普通の人はわざわざ気にするほどのことでもないんだと思う」

 悠佳があいずちを打った。俺は続ける。

洸輝「でも、初めてFCをテレビで見た時、すっげえわくわくした。こんな風に飛んでみたい、空を駆けてみたい、世界の頂点に、まさに立っているような感覚を、感動を、味わってみたい」

 それはどんなスポーツとも違う、スカイスポーツFCのみの感覚だろう、と思う。

 空中に浮き、勝利の瞬間、相手の上に、観客たちの上に、誰よりも高い位置に、物理的に自分がいる。

 状況によってはそうじゃないかもしれないが、それでも誰よりも上に行ける。

 FCというスポーツのみの、勝者のみの特権。

洸輝「あの時の日向昌也みたいに。俺も、いつかあの場所に行ってみたい。今まで生きてきて一番強い興奮だったんだ」

悠佳「……いいなあ。私も、そんなわくわく、味わってみたい」

洸輝「……悠佳は、どうしてFCをやらないんだ?」

 その瞬間、悠佳の目が曇り、うつむき、そして苦虫を噛み潰したような顔になった。

悠佳「……」

洸輝「わ、悪い。なにか理由があったのか……? いや、聞かなかったことにしてくれ」

 慌てて取り繕った。

悠佳「ううん、こっちこそごめん。いつか、話そうと思うから、今は……。それより、練習続けようか?」

洸輝「よろしく、コーチ」

 その呼び方に、初めて空を飛んで半年で全国優勝したという倉科明日香をふと思い出した。

 いつか、悠佳と――日向昌也と倉科明日香のような、そんな信頼関係を築ける日が、来るだろうか。

 そうしたら、悠佳の過去の苦しみも、少しは聞いて楽にしてやれるだろうか。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
228Res/187.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice