【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた
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223:
2018/08/12(日) 14:18:52.79 ID:6e9REt5w0
美亜「行っちゃったね」

洸輝「そうですね」

 莉佳さんを見送った帰りのバスの中。

 部長はなぜか、俺の隣に座りたがった。たぶん、こうしてひそひそ話をするためだろう。

美亜「鳶沢選手の飛び、どうだった?」

洸輝「速かったです」

美亜「知ってるよ。大切なのはそこから何を得たか。何を学んだのかを聞いたんだよ」

洸輝「バランサーオフでの姿勢、ですかね、技術的なことならば」

美亜「掴めそう? コツ」

洸輝「なんとか。慣らしは必要ですけど、直線はまともに飛べると思います」

美亜「そりゃすごい」

洸輝「技術的なことでないもので言えば……一点にかける姿勢、でしょうか」

美亜「続けて」

洸輝「はい。俺は今までスポーツとか、勝負がつきもののことをしてきませんでした。だから、『どうして勝ち負けにこだわっているんだろう。負けて泣くくらいだったらしなければいいのに』って、思ってました」

 部長は黙ったまま、俺の話を聞いていてくれた。

洸輝「今日の莉佳さんを見て、勝った鳶沢選手や真藤選手を見て……。これだけやりこんで、打ち込んで、時間と努力を捧げて、それが負けという形で返ってきたのなら、確かに悔しいんだろうなって……。こういう勝負事で努力する難しさは、試合をやって悔しい思いをしないとわからないものなんだってわかりました」

美亜「そか。それで、洸輝はどう? この勝負事の世界に、もう片足を突っ込んじゃったわけだけど。ずっぷりはまりたい?」

 小学生で習い事じゃない。本気でやりたいなら、それだけの覚悟が必要だ。

 もう、高校生なのだから。

洸輝「入り、たいです。負けることを恐れて何もしないんじゃあ、変われないと知ったので」

 勝利という快感を得るために、負けることを恐れて、練習をする。その意味を、俺はようやく理解した気がした。


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