81:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 00:05:06.13 ID:FHyQmHZuO
父のように母のように。
或いは、妹が慕う青年。
口に出したことはないが、自分の憧れでもある青年、勇者のように。
もし、もし次があるのなら。
少年の思考は、そこで停止した。
頭上で鳴り響く金属と金属の衝突音が、少年を現実に呼び戻したのだ。
続けて金属を弾く甲高い音が、くぐもった化け物の悲鳴が、すぐ傍で聞こえた。
がらんがらんと、武器が落ちたような音がする。
化け物は「腕が腕が」と叫んでいる。
どうやら、何者かが化け物の腕を切り落としたようである。
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