勇者「救いたければ手を汚せ」 
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65:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 00:43:26.30 ID:tRPk/B7zO

「夜は冷えるから、帽子と手袋は忘れないように。」

「私は下で待っているから、母さんと一緒に着替えなさい」


そう言うと、父は着替えを持って寝室を後にした。

既に着替えを終えた兄を連れて。


「お母さん、今日は何があるの?」

「今日は、お散歩の日なの。さっきの声は、その合図」

「ほら、早くしないと遅れちゃうよ?」

「……うん、わかった」


何が起きようとしているかなど分からない少女は、いつも通りに着替えを済ませ、いつも通りに服を畳む。


「お母さん、ちゃんとたたんだよ」

「うん、上手に出来たね。偉い偉い」


これも、いつも通りのやり取り。

しかし、母の手は僅かに震えていた。

母は帽子と手袋を被せると、娘の手を取り、二人の待つ一階へ下りる。



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