勇者「救いたければ手を汚せ」 
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646:名無しNIPPER[saga]
2017/02/25(土) 01:03:53.64 ID:ptB8pPTxO

そして遂に、彼は再臨した。

空を覆っていた暗雲を切り裂き、大いなる朝日が降り注ぐ、彼は目映い光を放ち、其処に在った。

光の海、母から生まれ出たばかりの身体には羊水があり、油を塗られているようにも見えた。

超然としながらも愛に満ちた表情であり、光を背に光を放っている。

誰もが息を呑み、誰もが涙した。

その姿は、すべてが望み、すべてが想い描いた救世の主そのもの。

暫しの静寂。

彼は眩い朝日を背に、皆に微笑みかけるようにしてゆっくりと言葉を紡いだ。

「見よ。日は昇り、夜は明けた」

「見よ、僕は確かに此処に在る」

「偽りなき者として、導く者として此処に在る。さあ、共に行こう。人の世、安息の千年を」



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